中川先生の「ためになる話」

『医療の基本』

イラスト 本来、動物は病気や怪我を患った場合自分で治そうとする。自然の状態では骨折や怪我をした野生動物はじっと動かず自然治癒を待つ。もちろんそれしか方法がないからだとも言えるが、現代人は自分の病気であるにも関わらず、安易に専門家に頼ろうとしすぎなのではないだろうか。本来、病気に対しては養生という言葉があるように自分で自分を癒すことが治療の中心であった。そして自身ではどうすることも出来ない身体機能の不調や苦痛に対して医療専門職が存在していた。つまりは最後の手段として医療が存在していた。
 ところが現代人は不調や苦痛に対していとも簡単に医療にかかる。自分の不調であるのに、まるでテレビやパソコンの故障のように修理を医療に任そうとする。そして思うように治らなければ治療者の能力不足のせいにしようとする傾向はないだろうか。
 医療の基本はセルフマネジメント(患者が自分で病気の自己管理をすること)を助けることである。患者本人が自分を治すために自己観察し自己管理をしなければ治る病気も治らないのは自明なのだが、ともすれば薬や手術など外的なコントロールにばかり目が向いているのではないだろうか。これは患者ばかりでなく医療専門家にも言えることで、本来患者の内部で起こっている現象である病気に対して外部にいる専門家のほうがよく知っていると考えるのは本末転倒ではないだろうか。もちろん一般論としてなら専門家の方が圧倒的に知識量も多いし、経験も豊富かも知れない。しかし、本人の病気なのに本人抜きにして治療が成功することはあり得ない。
 セルフマネジメントを成功させるために必要なことは、患者が自分の病気を自分の物語(ナラティヴ)の中にきちんと取り込めるかどうかにかかっている。

顧問医師:中川 晶
令和3年10月

中川晶先生プロフィール

中川晶先生プロフィール

 産経新聞の『中川晶の"生き方セラピー"』でご存知の方もおられると思います。
10年来お付き合いいただいている私共が言うのもなんですが、それはもう愉快な方で、一度語り始めると尽きることがないかのように実に幅広い、しかも有益で面白い話題が湧き出てくるのです。これはおそらく、一度や二度ではない挫折体験と、森羅万象に対する、特に人間に対するとてつもない興味がなせる技だと思えます。受験生についてもご自身の実体験と、臨床心理士としての深い洞察から、真の受験生の心の友となっていただけること請け合いです。先生のユニークで的を得たお話しを、お楽しみください。

  • なかがわ中之島クリニック院長
  • 奈良県立医科大学医学部卒業
  • 精神科専門医、臨床心理士
  • 大阪赤十字病院看護部講師
  • ナラティブコミュニケーション研究所所長
  • 京都看護大学大学院特任教授
  • 奈良学園大学保健医療学部客員教授
  • 京都大学医学部講師
  • 日本保健医療行動科学会会長
<著書・共著>
「心療内科のメルヘン・セラピー」(講談社)
「やすらぎが見つかる心理学」(PHP)
「心理療法」(朱鷺書房)
「ココロの健康からだの医学」(フォーラムA)父(故人)中川米造先生との共著 他

一人ひとりが、志望学部へ。

私たちは考えます、キミにとって最善の学び方を。
私たちは用意します、キミが最大限にがんばれる学習環境を。
私たちは知っています、キミの夢に対する確固たる熱意を。
なぜそう言えるのか。
それは、医学部・歯学部・薬学部・獣医学部 受験指導で、
生徒一人ひとりに向き合い、語り合い、
共に合格を目指し、歩んできた40年間があるからなのです。

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