中川先生の「ためになる話」

猛暑を乗り切る

猛暑を乗り切る 毎日、猛暑が続いています。猛暑といえば、ぼくが数年前に行った中国の西の果て、シルクロードのまん中の敦煌の近くの砂漠のバスツアーで体験した世界は、気温が摂氏46度、地面近くでは摂氏80度を超えていました。動物はおろか植物すら全く存在しない不毛の地でした。不思議なのは光景ばかりでなく、もの凄く暑いのに汗が出ません。何故かというと砂漠は極度に乾燥していて、出てきた汗は瞬間に乾きます。それは不思議な体感でした。喉は渇くので大量に水を飲んでいたお陰か熱中症にはならずにすみました。しかし、気温はこれほどでなくても日本では熱中症になりやすいのです。何故かというと日本の夏はただ暑いだけじゃなくて湿度が高いことが原因です。今回は熱中症と夏バテのメカニズムについて解説しましょう。

 まず、気温が高いと汗をかきます。汗は蒸発するとき気化熱で皮膚温を下げようとします。ところが湿度が高いと汗の蒸発がおこらないので容易に体温が下がりません。すると熱が体内にこもり、体温調節をしている自律神経の働きがおかしくなります。これが急激に起こると熱中症。めまい、吐き気、頭痛といった症状が特徴です。じわじわ起こると自律神経のコントロールが狂い、だるさや食欲不振など多彩な症状があらわれます。これが夏バテのメカニズムです。だからといってクーラーをガンガンきかせてというのは逆効果です。何故かというと、家のなかを冷やしても外は猛暑ということになれば、出入りするだけで急激な温度変化のため、やはり自律神経のコントロールは狂ってしまいます。

 それではどうすればいいのかというと、あんがい昔の日本人の知恵が役に立つのです。家の風通しを良くすることや、家では着心地の良い甚平を着るなどは効果的です。また食事については宮崎県の郷土料理の「冷や汁」なんかがお奨めです。これは手軽ですし、栄養もあるし、何よりミョウガやオオバが食欲を増進してくれます。作り方はインターネットにいくらでも転がっています。

顧問医師:中川 晶
平成29年7月

中川晶先生プロフィール

中川晶先生プロフィール

 産経新聞の『中川晶の"生き方セラピー"』でご存知の方もおられると思います。
10年来お付き合いいただいている私共が言うのもなんですが、それはもう愉快な方で、一度語り始めると尽きることがないかのように実に幅広い、しかも有益で面白い話題が湧き出てくるのです。これはおそらく、一度や二度ではない挫折体験と、森羅万象に対する、特に人間に対するとてつもない興味がなせる技だと思えます。受験生についてもご自身の実体験と、臨床心理士としての深い洞察から、真の受験生の心の友となっていただけること請け合いです。先生のユニークで的を得たお話しを、お楽しみください。

  • 奈良学園大学保健医療学部教授
  • 大阪大学医学部講師
  • 心療内科医・臨床心理士
  • 京都大学講師
  • なかがわ中之島クリニック院長
  • 大阪医歯学院顧問医師
<著書・共著>
「心療内科のメルヘン・セラピー」(講談社)
「やすらぎが見つかる心理学」(PHP)
「心理療法」(朱鷺書房)
「ココロの健康からだの医学」(フォーラムA)父(故人)中川米造先生との共著 他

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